CHILD ORTHODONTICS

子供の矯正

大人の矯正とは何が違うの?

成人矯正と小児矯正の最大の違いは、小児矯正はあごの成長期に成長を助ける治療であるのに対し、成人矯正はあごの成長後に現状を改善する治療である点です。
また、小児の早い段階で治療を施すことは、成人矯正と比較しても下記のようなメリットがあげられます。

1. 綺麗な歯並びを作りやすくなる

小児時期に「広げる」という基礎工程をふむことで、正しい生え変わり位置が確保されます。これにより、かみ合わせも美しい歯並びを手に入れることができます。

2. 将来的な虫歯のリスクが減る

歯並びを治すことで歯磨きがしやすくなり、大人になってからの虫歯のリスクを減らすことができます。

3. 抜歯の必要性が低くなる

抜歯矯正は患者様の精神的な負担が大きいですが、小児矯正を行うことで抜歯を避けられる場合があります。

そして、この中でも特に着目してほしいのが 1番の「歯並び」です。
そもそも歯並びを決める要素には何があるかご存じでしょうか。
歯並びが決まる要素は大きく分けて4つあり、これらは先天的な要因と後天的な要因と結びついています。

歯の大きさ
あごの大きさ
歯の生える位置
クセや要治療箇所の放置

上記の中で、最も歯並びが悪くなる原因は「あごが小さい」こと。
顎が小さいことで永久歯が生えるスペースが足らなくなり、ガタガタに生えてしまいます。
低年齢から矯正治療を開始することで、その「あごが小さい」という原因を根本から治療することができます。
また、出っ歯や受け口なども骨の発育を活用して治すことができます。

矯正はいつ始めたらいいの?

歯並びの治療は、子どもの頃に始めた方が良い、という話はよく耳にするかと思います。
実際、皆さんの身の回りにも小児矯正を受けた経験がある方がいるのではないでしょうか。
矯正治療の適切な開始時期は、「年齢」「歯列の状態」を目安に決定されます。
そして、この2つだと、基本的には年齢よりも歯列の状態が治療開始の判断基準として優先されます。

【年齢】

小児矯正は大きく2つの時期に分けられ、1期治療2期治療とよばれます。

1期治療

6歳~10歳くらいに生え変わっていない永久歯を正しい位置に誘導し、あごの成長を正しい位置に促す治療

2期治療

中学生~高校生の時期に永久歯の歯並びやかみ合わせをしっかりと作り上げる本格的な治療

※2期治療は成人矯正とも呼ばれることがあります。大人になってから初めて矯正を行う方はこれに当たります。
しかし、小児期から治療を行う際には、「1期治療でしっかりと顎の骨格の土台作りをし、2期治療で歯並びをきれいに整える」といったようにセットで矯正治療を行うことが基本的な考え方になります。
また、1期治療、2期治療をセットですることでよりきれいな歯並びになります。

また、ここで注意しなければいけないのは、お子様の成長というのはそれぞれで大きく異なるという点です。特に、小児矯正を実施する時期は、お子様の体が劇的に変化する時期でもあります。矯正の1期治療や2期治療の年齢はあくまで目安とお考えください。

【症状】

先述の通り、矯正治療の開始時期は、基本的に歯列の状態で決定されます。 1期治療であれば乳歯列と永久歯が混在してい混合歯列期、2期治療であれば永久歯にすべて生え変わった永久歯列期です。ただ、それぞれの歯列期に入ったからといって、速やかに矯正治療を開始できるというわけでもありません。

矯正をした方が良い歯並び・症状

デコボコ・ガタガタ
全体的にかみ合わせが悪い状態
デコボコ・ガタガタな歯の症例
出っ歯(上顎前突)
上の歯が前方に出すぎた状態
出っ歯(上顎前突)な歯の症例
受け口(反対咬合)
下の歯が上の歯より前に出た状態
受け口(反対咬合)な歯の症例
交叉咬合(クロスバイト)
奥歯のかみ合わせが上下逆の状態
交叉咬合(クロスバイト)な歯の症例

子どもの矯正の流れは?

1期治療
1期とは 混合歯列期(乳歯列と永久歯が混在している時期
年齢 6歳~10歳くらい
治療内容 生え変わっていない永久歯を正しい位置に誘導し、
あごの成長を正しい位置に促す治療
治療期間 症状により異なるが、おおむね1年半~2年程度
治療器具 透明タイプのブラケット

1期治療は一般的に6歳から始めることができるとされていますが、1期治療を必要とせず、第2期治療からの矯正で十分なお子様もいらっしゃいます。
1期治療が必要かどうかは自己判断できませんので、どのような治療を受けさせて、どうなってほしいかという保護者の方の希望や、お子様本人の症例をふまえて初診相談をしたうえで、治療方法を見極めていきます。

2期治療
2期とは 永久歯列期(永久歯にすべて生え変わった時期)
年齢 中学生~高校生
治療内容 永久歯の歯並びやかみ合わせをしっかりと作り上げる
本格的な治療
治療期間 症状により異なるが、おおむね2年半程度
治療器具 透明タイプのブラケット

【具体的な流れ】

初診

矯正治療に関するカウンセリング・簡単な口腔内診査の後に、治療方針・矯正装置・費用・期間などについておおまかにご説明いたします。 患者さまによっては、治療を開始する最適なタイミングではない場合があり、その際はベストな時期まで経過観察を行うことになります。

精密検査

実際の治療方針を決定するために、現在の歯並びや顎の骨の状態などをチェックいたします。 具体的に行うのは口腔内診査・顔面および口腔内写真撮影・各種レントゲン撮影・印象採得(歯の型取り)などの精密検査です。

診断

精密検査の結果を分析し、患者さまに最適な矯正治療方針を決定いたします。 治療方針・矯正装置・費用・期間などを詳しくご説明いたします。

1期治療
治療開始

歯に矯正装置を装着して、治療が始まります。治療期間は約1年半~2年になります。

成長観察

通常だと1年に1度来院していただき、経過観察を行います。

精密検査

中学生~高校生になった段階で精密検査を受けていただきます。

2期治療
治療開始

歯に矯正装置を装着して、治療が始まります。治療期間は約2年半になります。

治療終了
保定

矯正装置が外れると、後戻りを防ぐために保定装置を装着して保定期間(メンテナンス期間)に入ります。 通常だと4カ月に1度来院していただき、歯並びやかみ合わせのチェックを行います。